140字以上

140字には収まりきらないこの気持ち。

生りゅうちぇるを見て来た時の話2

開店の時間が迫ってきた。

 

まわりの女の子たちが一層ざわつき出す。

ギャル系の店は、中に何店舗もある。

この中のどの店で買い物をするか、話し合っているようだ。

みんなきっと、そんなにお金を持っていなくて、ちゃんと気に入った店で買い物をしたい、 お小遣いを無駄に使いたくないという事なのだろう。

私も決して金持ちではないが、その女の子たちの話し合いには なんだかハッとさせられた。このスピード勝負の現場で その発想は無かった。

また 私は中高生と違い、最近のこの店の事情は全く分からないので、結構なんでもよかった。またしても世代の違いである。

 

そうこうしていると、スタッフが看板を立て出した。

この中のどの店舗のレシートが、今回のイベントで有効なのかを書いてあるらしい。

私は、その発表今かい!確かネットにも書いてなかったと思うけど?!と思い とても焦った。

この看板が列から少し離れていて、私の視力では見えない。

列を離れようにも離れられないし、これだから1人で乗り込むのは不利だ…

私はこの看板を見ることを放棄した。

 

とうとう開店である。

皆店に入った途端、凄い勢いだ。

私は大人の余裕を見せつけようと、悠々と入ろうと思ったが、後ろの子がはやく入りたそうにしていた。ごめん。

若者たちは、入り口すぐにあるエスカレーターを ズダダダダダーーと群れになって走って行った。凄まじい若さ、耐えろエスカレーター!

おそらく、お目当の店が違う階にあるのだ。

しかし私はそのあまりの勢いに、もしかして、この階の店のレシートは 適用されないのではないか?と不安になった。この非常事態に 若干気もおかしくなっていた。

なので、近くにあったオシャレ時計店のオシャレなお姉さんに、「この階の店のレシートは、ぺこ&りゅうちぇるのイベントに使えますか?!」と聞き、使えると思う、という返答を貰うだけ貰って 別の店に行った。時計は高いからね。

 

そしてなんとなく目星を付けていた、丸いサングラスを買った。

将来、流氷の上で ゴマちゃんを見るツアーに参加するとき、その白銀の世界から目を守るためだ。

改めて見てみても サングラスからレディ・ガガオーラが放たれていて、私にはなんだか似合わない。

しかし 私がこれを装着するとき、主役はゴマちゃんなので、問題ない。

値段は1080円。今回のイベントでは、妥当な選択だったと思う。

 

そして買い物を済ませ、整理券を貰う。

時刻は10時5分。中ではまだ若者たちが戦っている。

 

ここまで頑張って、あとはイベントスタートの1時まで放流される。

久しぶりに無料イベントというものに参戦した私には、あまりにも刺激的な展開の数々である。

 

途中、もう行くのが面倒くさくなったりもしたが、とりあえず本屋で立ち読みしたり 腹ごしらえをして、

いざ、ぺこ&りゅうちぇる!

生りゅうちぇるを見て来た時の話。

みんな既に大好きだとは思うが、

私が今芸能界で最も注目しているのが、ぺこ&りゅうちぇるだ。

 

特にりゅうちぇるのことはよく、こんな時りゅうちぇるだったらどうするんだろうなどと、心の中で参考にしたりする。彼以外には、DAIGOやふなっしーなどで考えることもある。

 

今回は、そんな尊敬すべき原宿系モデルたちの、イベントに行った話である。

まず行くかどうかの段階でかなり悩んだ。彼等のファン層を考えると、りゅうちぇるより年上の私は 当日居づらい思いをする可能性がある。

最寄駅で開催されるイベントのため、相当に早くは行けそうなのだが、そんなに早く、私くらいの年齢で行く人はいないことが予想された。しかも長時間並ばなければならないので、あまり若者に囲まれるとキツイものがある。

どの程度張り切れば時間的にベストなのかも掴めない。

 

かなり悶々とし、一度は止めようと思ったのだが、色々あって行くことに決めた。ちなみに1人である。

 

朝7時、混雑を防ぐために 早くてもこの時間からの整列が義務付けられていた。

私は大張り切りで、7時10分には到着したと思う。

 

まあ予想通り先客は皆中高生くらい。

スタッフのおじさんも 列に並びに来ているであろう若者たちに聞こえるように、列はこちらです と声かけをしていた。

 

当然私もそこに用があるので 並ぼうと近寄るわけだが、おじさんは「この人は通勤ではないのか…?近づいてくる…近づいてくるぞ…!まさかこの列に並ぶのか?くっ声がかけられない…!」と書かれた真顔で、私を凝視していた。

私も ここでくじけてはいられないので、目を逸らしつつ整列した。

 

並んでいる人たちをよく見るとぺこガールだらけだった。ぺこガールなど未確認生物だと思っていたが、その時初めてしかも大量のぺこガールを目にした。

ほとんど女の子が並んでいて、たまにぺこガールの彼氏がいたり(全身真っ黒、バンダナでできたバッグと、野田洋次郎のような男版女優帽みたいなのが印象的だった。若者のオシャレという感じだった)、

おばあちゃんと一緒に来ているっぽい女の子を見た時は、なぜそんな、中高生女子の人間関係の中でも トップレベルに長蛇の列に不向きであろう人物をお供に選んだのか?そのおばあちゃんのために、自分に何かできることはないかと思い、胸が痛んだ。

ここからの道のりが長いのだ。

 

列の先にあるギャル系の店(地味系を極める私にはここもネックだった)で1000円以上買い物をして、そのレシートと引き換えに整理券をもらうという段取りなのだが、その店が10時に開店なのである。

 

ちなみにせっかく列になっても、店でバラバラになり買い物をし、さらにその後貰う整理券も、配る番号は順番通りではなく、でたらめになっているところから配るそうだ。

朝早く並んだからといって、早い番号が貰えるとは全く限らない仕様になっていることには驚いた。

 

並び始めて3時間は時間があるわけである。

私はこの時間のために3.4冊、本を用意していた。

メンタリストDaiGoの超集中力と、こんまり先生の人生がときめく系の片付けの本である。

これらの本だけで、この空間にいると年齢を感じてしまう。ここにいる子たちはまだこういう本は読まない気がする…。

片付けの本はあらかた読んでいたので、超集中力を読むことにする。

 

しかし大体どのグループも2.3人で来ているので、行列というある意味閉鎖的な空間で めちゃくちゃお喋りしていて、それがめちゃくちゃ聞こえるので、本より気になってしまう。ちなみにみんな、お喋りかスマホで時間を潰すため、本を読んでいるのも私だけ。また年齢を感じてしまった。

 

会話は延々と続いている。

「ぺこガールの女の子って可愛い子多いよね〜〜」

マウンティング、属性、羨望

うまく説明できないが、懐かしくも 生々しいほどの若さをシャットアウトするべく、私は超集中力に集中しようと試みる。しかし、しようとすればするほど、大して集中できないまま開店の時間を迎えようとしていた。

 

つづく

 

ピコ太郎のおもしろさが分からない。

ピコ太郎のおもしろさが分からない。

 

 

しかし彼自体のことは、どちらかと言えば好意的に見ている。

 

次の曲は出るのかと聞かれれば、そんなに作れないと その時の気持ちを正直に言う、無駄に張り切らない。突然Mステに出ることになっても謙虚な姿勢。

ブレイクしても、地に足の着いた対応がとれるとは、さすがは大人である。勉強になる。

 

 

しかし出てきた時から、いまいち面白さが分からない。

 

流行るだけのことはあって、真似しやすい、軽さ・明るさ・勢いみたいなものはある。しかし内容はペンとリンゴとパイナップルがくっついただけ。

 

私にはこれが、それ以上にもそれ以下にも思えない。これが時代なのだろうか。ペンとリンゴとパイナップルがくっついただけと見せかけて、何か隠された暗号的な面白さ的な…?私には分からないだけで世間は気づいた、そういうものがある的な…?

 

私は時代に置いて行かれ始めているのだろうか。いや、そうだとしても 私だけではないはず…。

 

 

話によると、ピコ太郎の動画を ジャスティンビーバーが 「今1番気に入っている動画」というようなことを書いて紹介したことがきっかけで、流行に火が点き、瞬く間に世界中に広まったそうではないか。

 

ジャスティンビーバーは、その見た目や曲や、もてはやされ方から、私からすると ものすごくパリピなイメージがある。

 

そのパリピかつ偉大なジャスティンビーバーが面白いと言ったことが、全世界で流行っているのに、自分にはその面白さが分からない。

これが今 私が焦っている原因である。

 

 

しかしそのジャスティンビーバーの面白センサーは本当に正しいのか…?

 

彼が毎日面白いことに触れ合っている確証は…?

 

一見パリピだが、彼が毎日パーティを開いて、面白おかしく生きている確証は…?

 

聞くところによると彼は、ポケモンの採取にもSPに囲まれて登場するらしいではないか。

 

SPに囲まれる毎日、小難しい会話の行き交う空間、カン詰めからの車移動、仕事仕事の毎日…それがジャスティンビーバーの真の姿、真の生活かもしれないだろう!

 

そこで出会ったのがピコ太郎の動画かもしれない。

単純明快な彼の動画に、心が癒されたのかもしれない。

 

要するに、そのくらいジャスティンビーバーの周りに 面白いことがなかった可能性について、私は疑っているのである。

 

もう一度はっきり言うと、ピコ太郎が流行ってしまうくらい、意外にもジャスティンビーバーの周りには、

 

何も面白いことがない、

 

という可能性だって捨て切れないよな、って思ったのでした。

あなたの見ているジャスティンビーバーは、虚構のジャスティンビーバーかもしれない……おわかり頂けただろうか…

 

 

 

ピコ太郎もジャスティンビーバーも頑張って仕事して有名になって偉いので、私も英語を勉強してYouTubeに動画でもあげてみようと思う。流行るかもしれない。流行らない。

 

めでたしめでたし